最初にクロが一人で寛いでいた。
そこへ寒さに耐えかねたぴーがやってきて強引に乗ってきた。
クロは唸り声をあげて怒っていたが、体を寄せ合う暖かさに気づいたのかおとなしくなった。
しばらくすると今度は茶鼻くんが現れ、それが当然のように乗ってきた。
その流れは見ていて可笑しくて仕方なく、一人で笑っていたが、
ぼくの膝の上にいる三頭が血のつながりのある親子であることを思い出した。
ぴーとちーは兄妹であり、クロの子どもである。
たぶん・・・
こんなふうに三頭の親子が一緒に身を寄せ合うことはそれほど遠くない将来、できなくなるだろう。
猫にとっては血のつながりは大きな問題でなく、きっと人から見た感傷的なことだろう。
それでもこの三頭と長いこと関わってきたぼくにとっては特別な時間だった。