久しぶりにブッチャーが姿を見せた。遠目に「あれ、左目なんか変?風邪か?」
だが、できるだけ近づいてよく見て愕然とした。左目は汚濁し、おそらく、すでにその機能は失われている状態だった。「どうした!?ブッチャー」
猫ボラさんに連絡すると二週間前くらいから体調を崩していたらしい。その時の状態に比べれば食欲もあった今朝はまだいいほうなのかもしれない。
元々、ブッチャーがエイズキャリアであることはわかっていたが、それを別にすればたくましい健康優良児的な猫だと思い込んでいた。
いつもなら満足するまで食べ終わるとさっさとどこかへ行ってしまうのに今朝は何かを訴えるかのようにいつまでも周辺にいたのも気になった。抗生物質を与えておいたが気休め程度であろうことはぼくにもわかっている。仲良しのめーが心配そうにそばから離れなかったのも気になった。猫たちはきっと何かを伝えたかったのだろうが、ぼくにはそれがわからなかった。