写真のちーちゃんにはクロベエに会いに行った際にはほぼ会っている。
写真も撮ってはいるが、ほとんどの場合、発表することなくお蔵入りしている。
ずっと体調がすぐれない状態が続いていおり、見た目がどうしても痛々しい。
このブログにも時々、調子の悪い猫が登場はするが発表すべきかどうかはいつもかなり迷う。
野良猫と長いこと関わっていれば調子の悪い猫とは少なからず出会うものだ。
ぼくは報道カメラマンではないし、このブログも野良猫の実態をあからさまにすることが目的ではない。
だから、「ぼくはこんなに悲惨な猫と接しているんですよ」的になることだけは避けたいと思っている。
それはぼくの本意ではない。
確かに野良猫には可哀そうだったり悲惨だったりする側面は少なからずある。
だが、「それだけ」でもないとぼくは思っている。
ちーちゃんは多少の波こそあるが、この状態が長いこと続いている。
正直、この冬は越せないかもしれないと感じていた。
高齢なこともあるようだが正確なところはわからない。
以前、抗生物質を飲ませようと餌に混ぜて与えたこともあるが、好物だったにも関わらず
その時はまったく口にしなかった。
おそらく、薬の混入を嗅ぎとったのだろう。
ちーちゃんはとても警戒心の強い猫で、これまで一度も触らせてくれたことがない猫だから、
直接、口に薬をいれるなんて不可能なことである。
結果としていつも打つ手もなく、ちーちゃんが食べてくれそうなものをせっせと運ぶだけだった。
この日のちーちゃんは一目見てこれまでになく状態が悪そうに見えた。
なんだかそれは妙に痛々しくぼくの目にうつった。
「この状態ではきっと何も食べられないだろうな・・・」そう思いつつも、そのまま放置して帰る気にもなれず、
ダメ元でヤケクソ気味にちーちゃんの好きなものを片っ端から並べてみた。
すると・・・ちーちゃんはいつになくそれらを口にする。
「なんでもいいから食って少しでも栄養をつけてくれ!!」とばかりに口にしているものをさらに追加した。
正直なことを言えば何か効果を期待してというよりは、それがぼくがちーちゃんにしてあげられる唯一の
ことだっただけだ。
この日、ちーちゃんがけっこう食べたことを受けて、ぼくのなかではここのところ通い続けている河原の
メイのことが頭に浮かんだ。
メイにはずっとデビフのカロリーエースを与え続け、メイも好んでそれを口にしている。
「あれをちーちゃんに与えてみたらどうだろう?」
メイのためにすでにカロリーエースを多めに購入してあったので翌日、もう一度、来てみることにした。
そして翌日。
ちーちゃんの状態は見た目でもはっきりわかる程に前日に比べ体調が良さそうに見えた。
動き方もまったく違う。
だが、「昨日、あれだけ食べたからだ」と結論づけるのは早計だろう。
野良猫を取り巻くファクターには様々なものがあり、その一つひとつをぼくが把握しているわけではない。
ただ、充分な食事ができたから体調が良くなった可能性も否定はできない。
この日、ちーちゃんのために持参したカロリーエースを与えてみると一缶、まるまる飲みほした。
(カロリーエースは流動食なので食べるというよりは飲むというほうがふさわしいほどの液体に近いものです)
残念ながら翌日のちーちゃんの状態を見ることはできなかったが、来週以降、悪い状態にならなければ
しばらく、カロリーエースを持参してみることにしよう。