震災以降、関連情報にはできるだけ目を通すようにしているが、最近、目にとまった印象的な記事をふたつ
引用させていただきます。
①しっぽの気持ち:被災ペットに携わる=渡辺眞子(毎日新聞 2012年05月01日 東京朝刊)
東日本を襲った震災から1年以上が経過した。関連の報道は一時に比べてめっきり減り、新聞の1面やニュース番組のトップは他の話題が取って代わるようになった。被災地から距離を隔てたところでは、復興が着実に進んでいると信じている人もいる。しかし実際は、まだほとんど手つかずの地域もあるし、先の見通しをつけられず不安に暮れる方は多い。
そうした現状を報告してくれるのは、一貫して被災地のボランティア活動に勤(いそ)しむ友人たちだ。その一人である長谷川潤さんは東京都内に勤務する身でありながら、震災以降ほぼ毎週末を石巻や福島の被災動物シェルターで過ごしてきた。被災ペットの問題に携わることは、被災者を救うことでもある。ペットの救済は飼い主の心を救い、励ましになるのだから。
ガソリン代節約のためツイッターとフェイスブックを通じて同乗者を募り、スタッフや仲間たちと相談しながら現場の改善に必要な事柄を洗い出して、資金や資材の調達から人材集めまで行う。被災した動物の飼い主になってくれた方々の話を傾聴したり、支援のため仮設住宅に赴いたり、東京に戻れば被災動物救護に関する勉強会を定期的に主催したりと忙しい。東北に通うために費やす時間と経費は決して少なくないというのに、彼はごく普通のことを行っているかのごとく、涼やかにあれこれ話す。
今回のような災害が起きた際、何かの役に立ちたいと考えない人はいないだろうし、ボランティアとしていっとき働くことは人間性とガッツがあれば可能だろう。だが1年間も同じ熱意を持ち続け、活動を継続するのは並大抵ではない。何が彼を突き動かすのか。
「これは誰の身に起きてもおかしくないこと。そう思えば、被災者支援は日本人が全員で取り組むべき問題だ」。聞けば震災のあと、友人関係が大きく変わったのだと言う。被災地に対する考えやスタンスを共有できる仲間と過ごす時間が圧倒的に多くなったのだそうだ。
人が人を思う気持ち。命を思いやる気持ち。その強さと優しさに、わたしは深く感動する。と同時に「自分にできること」の意味を問いなおす時期かもしれないと思う。(作家)
②毎週、警戒区域に通い続ける個人ボランティアさんがいます
(『カ イ ヌ シ と 3 猫 の 鈴』旧ブログ名「警戒区域の動物たちを見捨てない!」)
この1年以上、ほとんど毎週欠かすことなく、動物たちのために福島へ通い続けている個人ボランティアさんがいます。
都内在住の会社員、Mさん。
金曜の朝。彼女はいつも通り出勤して仕事を終え、大急ぎで会社を後にします。
夕方。帰宅すると、まずは保護猫たちのお世話。ごはんにトイレ掃除、健康チェックその他諸々。留守の間、猫のお世話をしてくれる方に伝えておくことがないかも確認します。
猫のお世話が一通り終わったら、福島行きの準備。自分で注文した大量のフードや、捕獲器、防護服など、必要な物を1時間かけて車に積み込みます。重い荷物を持って、自室と駐車場を何度も往復しなければなりません。準備を終えて簡単な食事を取ったら、福島行きに向けて少しだけ仮眠。
一眠りして目覚めると、もう真夜中です。深夜、マイカーで福島へ出発。片道約5時間の道中、運転を変わってくれる人はいません。
早朝、立入制限区域の近くまで来ると、防護服を着込み、荷物の最終チェックをして20km圏内へと入ります。
彼女が給仕しているポイントは約50箇所。時間と人目を気にしながら、毎回300kg程度のフードを丁寧に給餌しています。依頼を受けているペットはもちろん、途中で出会った猫の保護を試みることもしばしば。受入れ先の厳しさから、健康状態や人馴れの度合いを見て保護する/しないを判断しなければならない苦しい状況にありますが、本当はすべて保護したい、というのが、やはり本音です。
午後、警察が増え始める前に立ち入り制限区域を出ます。
翌日も同じように給餌と保護活動をして、日曜の午後、東京へ戻ります。保護した猫を病院へ連れて行き、預かってくださるボランティアさんに連絡を取り、諸々の残務を終えるとようやく帰宅。自宅で待っている猫たちのお世話をします。
ゆっくりする間もないまま、明けて月曜朝には会社へ出勤です。
倒れそうに暑い夏も、雪の降り積もる冬も、彼女はずっとずっと、こんな生活を続けてきました。
かかる費用はフード代だけで月に20万円。交通費は約10万円。
保護した猫の多くは他のボランティアさんや団体さんに引き受けてもらっていますが、「丸投げするのは申し訳ない」と、保護した内、30頭余りの預かりさん/里親さんを自力で確保してきました。
「のこされた動物たち」写真展に頂戴した募金は、彼女のように自費で活動を続けていらっしゃる個人ボランティアさんへの物資支援と医療費支援に当てられています。彼女にもわずかながらフードを寄付していますが、毎回の給餌量が飛びぬけて多く、また頻度も高いため、基本的には全額自費で活動されています。
彼女は別に石油王の妻でも王侯貴族でもない、ごく普通の会社員です。問題が長期化する中、他のボランティアさんと同じく、その活動はとても苦しい状況にあります。
今回、私から働きかけて、フードだけでも支援してもらってはどうかと提案しました。
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・
◆原発20km圏内 猫ごはんボランティアが欲しい物
このリストを使ってAmazonからご注文くださると、Mさんの元へ届くようになっています。
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送付先を公表できないため、いろいろ制限のあるリストからの受付になり申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い致します。
みなさまのご協力を、心の底から、切に、お待ち申し上げております。
【追記】2012/05/19 12:45
皆様、たくさんのご支援ありがとうございます!
個人宅で置き場に限りがあるため今週分は受付終了とさせて頂きます。
どうか継続的なご支援をお願いいたします。本当にありがとうございました。
引用させていただきます。
①しっぽの気持ち:被災ペットに携わる=渡辺眞子(毎日新聞 2012年05月01日 東京朝刊)
東日本を襲った震災から1年以上が経過した。関連の報道は一時に比べてめっきり減り、新聞の1面やニュース番組のトップは他の話題が取って代わるようになった。被災地から距離を隔てたところでは、復興が着実に進んでいると信じている人もいる。しかし実際は、まだほとんど手つかずの地域もあるし、先の見通しをつけられず不安に暮れる方は多い。
そうした現状を報告してくれるのは、一貫して被災地のボランティア活動に勤(いそ)しむ友人たちだ。その一人である長谷川潤さんは東京都内に勤務する身でありながら、震災以降ほぼ毎週末を石巻や福島の被災動物シェルターで過ごしてきた。被災ペットの問題に携わることは、被災者を救うことでもある。ペットの救済は飼い主の心を救い、励ましになるのだから。
ガソリン代節約のためツイッターとフェイスブックを通じて同乗者を募り、スタッフや仲間たちと相談しながら現場の改善に必要な事柄を洗い出して、資金や資材の調達から人材集めまで行う。被災した動物の飼い主になってくれた方々の話を傾聴したり、支援のため仮設住宅に赴いたり、東京に戻れば被災動物救護に関する勉強会を定期的に主催したりと忙しい。東北に通うために費やす時間と経費は決して少なくないというのに、彼はごく普通のことを行っているかのごとく、涼やかにあれこれ話す。
今回のような災害が起きた際、何かの役に立ちたいと考えない人はいないだろうし、ボランティアとしていっとき働くことは人間性とガッツがあれば可能だろう。だが1年間も同じ熱意を持ち続け、活動を継続するのは並大抵ではない。何が彼を突き動かすのか。
「これは誰の身に起きてもおかしくないこと。そう思えば、被災者支援は日本人が全員で取り組むべき問題だ」。聞けば震災のあと、友人関係が大きく変わったのだと言う。被災地に対する考えやスタンスを共有できる仲間と過ごす時間が圧倒的に多くなったのだそうだ。
人が人を思う気持ち。命を思いやる気持ち。その強さと優しさに、わたしは深く感動する。と同時に「自分にできること」の意味を問いなおす時期かもしれないと思う。(作家)
②毎週、警戒区域に通い続ける個人ボランティアさんがいます
(『カ イ ヌ シ と 3 猫 の 鈴』旧ブログ名「警戒区域の動物たちを見捨てない!」)
この1年以上、ほとんど毎週欠かすことなく、動物たちのために福島へ通い続けている個人ボランティアさんがいます。
都内在住の会社員、Mさん。
金曜の朝。彼女はいつも通り出勤して仕事を終え、大急ぎで会社を後にします。
夕方。帰宅すると、まずは保護猫たちのお世話。ごはんにトイレ掃除、健康チェックその他諸々。留守の間、猫のお世話をしてくれる方に伝えておくことがないかも確認します。
猫のお世話が一通り終わったら、福島行きの準備。自分で注文した大量のフードや、捕獲器、防護服など、必要な物を1時間かけて車に積み込みます。重い荷物を持って、自室と駐車場を何度も往復しなければなりません。準備を終えて簡単な食事を取ったら、福島行きに向けて少しだけ仮眠。
一眠りして目覚めると、もう真夜中です。深夜、マイカーで福島へ出発。片道約5時間の道中、運転を変わってくれる人はいません。
早朝、立入制限区域の近くまで来ると、防護服を着込み、荷物の最終チェックをして20km圏内へと入ります。
彼女が給仕しているポイントは約50箇所。時間と人目を気にしながら、毎回300kg程度のフードを丁寧に給餌しています。依頼を受けているペットはもちろん、途中で出会った猫の保護を試みることもしばしば。受入れ先の厳しさから、健康状態や人馴れの度合いを見て保護する/しないを判断しなければならない苦しい状況にありますが、本当はすべて保護したい、というのが、やはり本音です。
午後、警察が増え始める前に立ち入り制限区域を出ます。
翌日も同じように給餌と保護活動をして、日曜の午後、東京へ戻ります。保護した猫を病院へ連れて行き、預かってくださるボランティアさんに連絡を取り、諸々の残務を終えるとようやく帰宅。自宅で待っている猫たちのお世話をします。
ゆっくりする間もないまま、明けて月曜朝には会社へ出勤です。
倒れそうに暑い夏も、雪の降り積もる冬も、彼女はずっとずっと、こんな生活を続けてきました。
かかる費用はフード代だけで月に20万円。交通費は約10万円。
保護した猫の多くは他のボランティアさんや団体さんに引き受けてもらっていますが、「丸投げするのは申し訳ない」と、保護した内、30頭余りの預かりさん/里親さんを自力で確保してきました。
「のこされた動物たち」写真展に頂戴した募金は、彼女のように自費で活動を続けていらっしゃる個人ボランティアさんへの物資支援と医療費支援に当てられています。彼女にもわずかながらフードを寄付していますが、毎回の給餌量が飛びぬけて多く、また頻度も高いため、基本的には全額自費で活動されています。
彼女は別に石油王の妻でも王侯貴族でもない、ごく普通の会社員です。問題が長期化する中、他のボランティアさんと同じく、その活動はとても苦しい状況にあります。
今回、私から働きかけて、フードだけでも支援してもらってはどうかと提案しました。
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◆原発20km圏内 猫ごはんボランティアが欲しい物
このリストを使ってAmazonからご注文くださると、Mさんの元へ届くようになっています。
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送付先を公表できないため、いろいろ制限のあるリストからの受付になり申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い致します。
みなさまのご協力を、心の底から、切に、お待ち申し上げております。
【追記】2012/05/19 12:45
皆様、たくさんのご支援ありがとうございます!
個人宅で置き場に限りがあるため今週分は受付終了とさせて頂きます。
どうか継続的なご支援をお願いいたします。本当にありがとうございました。