曇り。気温未測定。
猫たちの飲み水がわずかに凍る程度。
とらちゃんの衰弱が著しいので、今日から方針を変更することにした。
これまでは薬は最後の手段だと思ってめったに使わなかったが、
ここまで状況がひっ迫してくるとそんなことも言ってられない。
おそらく、胃炎ではないだろうが、胃炎の薬が食欲増進効果があることは
これまでの経験からわかってきた。
いまの状況を少しでも改善しようと思えばとらちゃんに食べてもらうしかないし、
そのためには薬の力に頼るしかないという結論に達した。
ぼくが到着してしばらくするととらちゃんが姿を見せたが、
ぼくの所へ来る前に釣り人の所へ行ってしまった。
釣り人はカリカリを与えたようだが、
とらちゃんが食べている様子はなかった。
ぼくが餌場へ向かおうとしたその時、とらちゃんがぼくの所へ来た。
とらちゃんが想像以上に寒さを感じていることはこれまでの経験から
察しがつくので、すぐに抱き上げる。
とらちゃんも抵抗しなくなったし、ぼくが思っている以上に長い時間、
そのままの状態でいた。
予想通り、食欲はほとんどなし。
予定通り、薬を飲ませる。
薬を飲ませること一つとっても、とらちゃんがほとんど無抵抗で、
苦労しないで飲ませることができる。
寒いからと、ハウスに入れようとするが、それは拒否される。
片づけを済ませてとらちゃんと関わる。
いまはできるだけ接してあげていたい。
写真を見てもとらちゃんの表情が乏しいのがわかる。
諦めたくはないが、あとどれだけとらちゃんとの時間が持てるだろうかと、
つい、考えてしまう。
進行の仕方が亡くなったちーちゃんによく似ている気がするのだ。
このままの態勢で、ぼくが到着した時以上に長い時間を過ごした。
そのこと自体、信じられず、このままとらちゃんは
逝ってしまうんじゃないかとすら思わせた。
最悪、今日はこの場でとらちゃんと一緒にいようと腹を括ったが、
とらちゃんが降り、その後の様子を見る限り、
なんとか持ちそうだったので、いったん撤退することにした。
飲ませた薬が効力を発揮するとすれば夕方に食欲が出るはずだと期待して。
そして、夕方…。
ぼくの予想では、薬が効いて食欲が戻れば、ぼくが到着してすぐに
とらちゃんが姿を見せるはずだった。
だが、とらちゃんは姿を見せない。
最悪のケースすら想像してしまった。
慌ててボートを持ち上げ、ハウスを確認すると中にとらちゃんはいた。
ぼくを見るとすぐに出てきた。
食欲は一定レベル戻っている印象ではあったが、
ぼくが期待したほどではなかった。
食べ終わるとすぐにハウスに戻るとらちゃん。
ハウスの床部分はかなり前からカイロを増やして強化してあるが、
いかんせん、背中を覆えないのが辛い。
ボートを閉じないと用心するのか、なかなかハウスに入れないので、
ボートを閉じる。
食べたものが即、栄養となるかどうかは別の話しだ。
いくら食べても太れない状態というものがある。
だが、せめて寒さに耐えるために消費するエネルギー分は
補給し、マイナス分を減らしたい。
明日の朝も食欲が持続していることを祈るしかない。