朝は晴れ。気温未測定。
体感的にも実感できる暖かい朝だった。
いつもより薄着で出かけたにも関わらず、暑さを感じるほどだった。
それゆえ、とらちゃんの状態にかなり期待していた。
だが、ぼくが到着してもとらちゃんが姿を現さない。
餌場に着いても姿はない。
ハウスを覗くととらちゃんはいた。
「え?なんで?」率直な思いだった。
それでも出てくる気配がなかったので、考え方を変えた。
ぼくが暖かだと感じていてもとらちゃんが暖かいと感じてはいないかもしれない。
寒さや暑さに対して対応しきれないほどに体温調整機能が
上手くはたらかなくなっているのかもしれない。
そんなふうに思い直して、とらちゃんにフリースを掛けた。
思いのほか、気持ち良さそうにしているのを見て、うろたえてしまった。
しばらくして出てきたが、一目見て状態が良いようには見えなかった。
たぶん、水がに見たくて出てきたんだと思われるが、
水を飲むことさえも躊躇していた。
ここのところ、そんな光景をよく見ている。
いったん、飲み始めてしまえばいいのだが、
それまで、水を前にして固まっているのだ。
普段とは違う場所で休んでいるのも気になった。
普段とは違う場所で水を飲む…ただそれだけのことがぼくを不安にさせる。
たぶん、それは、とらちゃんの状態が良くないであろうことと併せて
その行動の意味がぼくには理解できないからだろう。
とらちゃんがなんらかのサインを出していたとしてもそれを読み取れない。
タイミングを見計らって、何度か餌を与えてみたが、
口にすることはなかった。
夕方もこの状態が続くようならかなり危険だと思うしかなかった。
結果的にいつもより30分程早く行った。
しかし、ぼくが到着する頃には雨は本降りになってしまっていた。
てっきり、とらちゃんはハウスに入っているものだろうとばかり
思い込んでいたが、ぼくが着くと、物陰で雨宿りをしているとらちゃんの姿が
目にとまった。
すぐにぼくの車の下に来た。
幸い、ぼくの車はワンボックスなので、後部の扉を開ければ、
それなりにひさしが出来て雨をしのげる。
ぼくが到着した時にとらちゃんが外にいたことを意外に思いながらも、
同時に希望を見出していた。
調子が悪ければハウス内にいるはずだし、
お腹が空いているからぼくが来るのを外で待っていた…
と、考えられなくもないからだ。
餌を差し出すと勢いよく食べ、かなりの量を食べた。
いったんは食べ終えたのに、他の猫が食べているのが気になってか、再び参戦。
珍しい横並びの食事。
とりあえず食べてくれたことに安堵しつつも、とらちゃんがハウスに入るのを確認し、
背中からフリースを掛けるまでは安心できない。
いったん、姿を消したとらちゃんを探し出すのに苦労したが、
結果的にはとらちゃんからハウスに戻ってきて入った。
それを確認し、背中からフリースを掛ける。
雨は本降りだったが、このハウスなら雨はしのげるだろう。
夕方、遅くには雨は小降りになった。
明日の朝は再び、そこそこ冷え込むらしい。
今日のことがあり、暖かくなったからとらちゃんの体調も安定するというのは
ひょっとしたら、勝手な思い込みかもしれないと思うようになった。
そうだとすれば、今日の日中の暖かさと明日の朝方の冷え込みの温度差は危険なはずだ。
明日の朝、とらちゃんがどういう状態なのかとても気になる。