晴れ。
体感的には昨日と大きな違いを感じなかったにもかかわらず、
とらちゃんがボート下からなかなか出てこない。
出てきたと思ったら、わき目もふれず、日向ぼっこエリアへ直行。
目に見えて食欲ゼロ。
仕方がないので様子を見ることに。
まーちゃんが不定期に現れる症状で食欲ゼロ。
まーちゃんはこれまでの経験から、短時間で回復し、
食欲も戻ることがわかっていたので、
頃合いを見て、餌の入ったボウルを目の前に持って行くと食べ始めた。
それを見ていたとらちゃんも食欲を刺激されたのか、
ボウルに近づいたので、とらちゃんが好むのパウチを投入したところ、
食べ始めた。
量的には少なかったが、とりあえず、食べてくれたことを喜び、
夕方に期待することにする。
まったくわからなくなってきた。
ボートから出てきた時は水すら飲まずに心配したが、
餌を食べたら水も飲み、こちらも一安心。
最近、少なくともぼくが見ている朝の時間帯は、
とらちゃんはじっとしていることが多く、
立ったり歩いたりする場面をほとんど見かけない。
そのとらちゃんが急に動いた。
しかも、朝には見せないような素早い動きだった。
何が起こったのかととらちゃんを追う。
とらちゃんが反応したのは、他の猫が釣り人からもらった、
いわゆる、「雑魚」と呼ばれる小魚だった。
他の猫から奪うようにして、とらちゃんはそれを手に入れた。
それは一過性の気まぐれという感じではなく、
とらちゃんの執念みたいなものさえ感じる一場面だった。
4年近くとらちゃんと関わっているが、とらちゃんが釣り人の「雑魚」に興味を見せる姿なんて初めて見た。その食べ方もとらちゃんの執着心すら感じるものだった。とらちゃんには歯がないから、普通に考えれば、小魚とはいえ、噛み切ることもできないし、丸飲みもできないから食べられるとは思えなかったが、それでも、最後まで食べきってしまった。食欲のないはずの朝に、この姿は衝撃的ですらあった。猫は時々、自分の体が欲しているもの、あるいは、体に必要なものを食べるという印象がぼくにはある。そういう意味で言えば、いま、とらちゃんの体が必要としているものが生魚にあったのではないかという結論に達した。