土曜、日曜の凄まじい食欲を見ているだけに月曜、火曜と二日間空いてしまうことに不安があった。おそらく、いまの状態では自ら釣り人のところへ行き、食べ物をねだるなんてことはできないだろうから。ぼくが現場へ到着すると案の定、腹をすかせたとら平が隠れ家から出てきた。まずは無事であることに安堵する。だが、レンズ越しのとら平は瞬膜が見えすぎるように思った。だが、これは実際には膿のような目ヤニだった。夜明け前後で暗かったから細かいニュアンスまで読み取れなかったのだ。
脱腸の手術をしてもらったことで安心してしまい、土曜、日曜は患部の様子を確認しなかった。だが、「再発の恐れもある」という言葉を思い出し、患部の写真を必死に撮った。暗いうえに老眼まじりの目にはカメラ以上に正確に患部の状態など確認できるはずもなかったからだ。結果的には再発しているようだった。どうすべきか迷ったがふたたびとら平を病院に連れて行ってくれた地域の猫団体に救助をお願いすることにした。
いままで馴染みの猫にさえそんなことをしたことのなかった自分自身にすこし驚いている。どこからか流れてきた(ひょっとすると遺棄されたのかもしれない)馴染みのない猫だというのに・・・
乗りかかった船なら仕方ないではないか。