Quantcast
Channel: 野良猫劇場
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4266

6/1のとらちゃん

$
0
0
_b0094020_19253891.jpg


晴れ。
とらちゃんの埋葬をどうしようかと考えれば考える程、
行くのが億劫になる朝。
ぼくが到着すると、釣り人がとらちゃんが出てきていることを
教えてくれた。
正直、昨日の状態で、自らハウスを出てきていることが
信じられなかった。


昨夜の雨で濡れた地面の上で力尽きていたとらちゃんを
慌てて日向へ連れて行き、マットを敷いてその上に休ませる。


_b0094020_19300402.jpg

急いで他の猫たちの食事を済ませ、
とらちゃんをフリースで包んで車内へ移動。


_b0094020_19314376.jpg

晴れ間が優勢になると、車内の温度が上がるせいか、
とらちゃんにとっても暑さを感じるのか、
外へ出て、水飲み場に行きたがる。
必ずしも水を飲むわけではないところを見ると、
コンクリで体を冷やしているようにも見えるが、
実際のところはわからない。


_b0094020_19343526.jpg

歩くのもフラフラだし、すでに中腰で長い時間いられない。


_b0094020_19361623.jpg

とらちゃんが一番、辛いのはわかってはいるが、
それを見ているぼくも辛い。


_b0094020_19381443.jpg

車内と外を行き来しながら、落ち着ける環境を探る。


_b0094020_19394803.jpg

おそらく、もう、自分を支える体力も残されていないのだろう。


_b0094020_19411750.jpg

フリースはむしろ、暑いのかと使うのをやめてみたが、
大きな変化はなかった。
いったん、餌場へ連れて行き、そこで休ませることにし、
ぼくはいったん撤退する。


_b0094020_19441843.jpg

だが、とらちゃんの様子が気になって仕方がないので、
昼に再び行く。
ぼくが抱きかかえるが、しばらくすると、とらちゃんが
降りたそうな素振りをみせたので、降ろすと崩れるように
横たえてしまった。
おそらく、抱かれる状態の体位が楽な姿勢ではなくなっていたのだろう。
とらちゃんの状態は悪化しているようで、
すでに朝のような姿勢すらとれず、
体を横たえるしかできないようだった。
フリースを敷いてそこに寝かすことにした。


_b0094020_20202577.jpg

痩せて来ていたのがさらに痩せ、顔つきまで変わってしまった。
撫でたり、肉球をもんであげてもほとんど反応はなく、
尻尾もほとんど動かない。
ただ、呼吸をしていることの証にお腹が上下している。


_b0094020_20231333.jpg

夕方になり、気温の低下を感じ始め、ぼくも上着を羽織ったので、
再び、とらちゃんをフリースで包んで抱く。
せめて、最後はぼくの腕の中で看取ってあげたい。


_b0094020_20252569.jpg

だが、そんのぼくの願いとは裏腹に、タイムリミットが来てしまった。
もっとも、とらちゃんが息をして生き続けていることは喜ぶべきことなのだ。
仕方がないが、とらちゃんをハウスに入れ、ボートを降ろす。


明日の朝、再び生きたとらちゃんに会うのは難しいとは思う、
だが、一方でとらちゃんの生命力の強さに、
これまでのぼくの予想はことごとく外れた。
明日も外れてくれることを祈ろう。













Viewing all articles
Browse latest Browse all 4266

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>