他の猫たちは時の経過とともに再び餌場に来るようになったがぶーちゃんだけは完全な引きこもりになってしまった。置き餌をするが、他の猫も食べるし、夜間になれば野生動物が食べに来るから、ぶーちゃんが食べているかどうか確信が持てずにいた。それでも、毎日、隠れているぶーちゃんの姿を確認することだけは怠らないようにしていた。死んでいない以上、食べていると思いたかった。体のどこかに不調がある可能性も考えたが、動く姿を見られない以上、確認のしようがなかった。ぶーちゃんは栄養状態が悪くなり、体力が落ちると目にそれが現れるが、それが見られないので、食べていると判断していた。
そして、今日。雨の止み間をぬって行ってみると、ぶーちゃんが表に出ているのが見えた。釣り人が誰もいなかったことが幸いしたようだ。ぼくが車から降りたら逃げてしまうかも…とも思ったが、距離は置こうとするものの、見えない場所まで逃げるということはなかった。急きょ、その場を餌場にしたところ、ぶーちゃんも近づいて来て、餌を食べた。目の前でぶーちゃんが餌を食べるのを見たのはいつ以来だろう?